八日市場に限らず過疎化に悩む各市町村では、若者を呼び戻すためや、商工業の活性化のため、各種団体が様々な企画・催しを行っています。それぞれ工夫を凝らした内容で、それなりに楽しめる企画も多いのは事実です。
ただ、ケチをつけるようでなんですが、こうしたイベントの殆どは「とにかく町を活性化しましょう」とか「若者を故郷に呼び戻すにはどうしたらいいか」「とにかく景気が良くなればいい」といったコンセプトで開催されることが多く、主催者のように「田舎は自然がたくさんあって住み易くて快適だ!このままがいい!」と思っている人間にとっては 「?」 と感じることがあります。今話題になっている整備新幹線をはじめとする公共事業、様々な施設を作り橋を架け道路を敷いて、便利で快適で近代的な町並みを作る・・・。こんなことは結局は金と時間のムダ使いだと感じはじめた人も多いのではないでしょうか。また、年金や貯蓄で生活するお年寄りにとっては、人がワイワイガヤガヤ集まって町が騒がしくなるよりも、静かにのんびり暮らせる環境の方が良いのかもしれませんし。。。
確かに、自然災害や救急医療などに即応するシステムや消防や医療施設は必要不可欠です。八日市場にも地元の若者が組織する消防団というものがありますが、「自分達の町は自分達で守る」という意識が高まるという利点もあり、都会と同じように田舎にも無くてはならないシステムだと思います。
さて話は飛びますが、今回は八日市場出身の俳優地井武男さん。地井さんは亀屋から500m程離れた八百屋さんの生まれでチャキチャキの「八日市場ッ子」。この八百屋さんは今は閉店してしまいましたが、地井さんは地元出身の有名人として度々八日市場を訪れてくれます。今回は『八日市場経営塾』のために忙しいスケジュールを縫って来ていただきました。ちなみに『八日市場経営塾』とは、先に触れた“市の活性化”のために八日市場商工会がここ数年企画している各界の著名な方々を招いての経営講演会です。
当日は「地井武男の全国漫遊記」−元気印のまちづくり−と題して2時間ほどの講演をしていただきました。『太陽にほえろ』の“トシさん”役の印象が強い方にはあの寡黙で実直なキャラクターと講演会が結びつかないと思いますが(失礼ながら私もそうでした)、今回は『北の国から』の中畑和夫バリの渇舌で、普段は20〜30人しか集まらないこの経営塾も300人程が押し寄せ、会場は大いに盛り上がりました。
で、その話の内容が偶然にも主催者が普段思っていることと近かったのです。富良野の話から始まって、山古志村の闘牛と錦鯉、秋田県白神の里山、八王子の貸し農地、富山県の朝顔、静岡県の海洋深層水・・・などどれもこれも地域性を生かした特色のあるまちづくりの話。笑いを交えながらの辛口トークに、市長さんをはじめ集まった経営者(市民)の人達も真剣に聞き入っておりました。。